以下の記事は、2013年4月頃についての回想録です。
何とか、タイで彼女と共に生活していく方法はないものかと、本気で考えだしたわけですが・・・。
とにかく、まずは現状自分に何が出来るのかということについて一から整理してみることにしました。
で、まず最初に考えたことは、現地での就職という道だったんです。
つまり、タイにある何かしらの企業で働きながら生活していくということ。
そう考えて、僕はさっそくパソコンで求人を調べてみたんです。
見てみると、タイには様々な日本人向け人材紹介会社があることがわかったんです。
それに、日本に居ながらスカイプやラインなどでの面接を通して、就職活動を進められるということもわかりました。
その頃はまだ僕自身、現地採用なる言葉も聞いたことが無く、駐在員との違いも正直言ってあまりよく理解していなかったのですが、タイにある人材紹介会社のホームページを見たことをきっかけに、取りあえず多くの日本人がタイで今現在働いていて、そのこと自体が際立って珍しいものでもないんだということがわかったんです。
このことは、自分にとってとても意外でした。
タイで生きていくだなんて、自分の中ではとてつもないことを考え始めたものだと思い込んでいた節もあり、思いのほか先駆者が大勢いたことにちょっと拍子抜けしてしまったんです。
けれども、タイでの仕事に関して検索をしていくうちに、その厳しい労働環境というものもなんとなく伝わってきました。
まず、そもそも現地採用と言えども、向こうでやっていくためにはそれなりの職業経験や一定の技能が必要不可欠であるということ。
逆に経験やスキルが無い場合は、雇ってもらえたとしても、あまり良いとは言えない環境の下で働かされる場合が多く、給料や福利厚生の面でも日本のブラック企業並みの扱いを覚悟せねばならないということが分かったのです。
更に言えば、実務経験等を認められて運よく大手の日系企業などに入れたとしても、給与ベースはあくまで現地仕様のため、日本で働くのと比べれば収入は明らかに少なくなるという現実・・・。
僕はインターネットに載せられているこれらの情報を見て、少々落胆してしまいました。
日本での就業もままならないような人間が、タイでそれなりの企業に勤めることなど果たして本当に可能なのだろうか。
それより何より、今までの自分の社会人経験を振り返ってみて、採用面接等の際に自分の中でアピールできる業務経験など一切存在しないではないかと。
そもそも、僕はこれまで高校を中退して地元の食品スーパーに正社員として雇われたことが一度、それからレストランの調理補助として契約社員になったのが一度、それでもって大学卒業後、新卒で働きだしたのが最後の社会人経験だったわけですが、これら合計三つの社会人経験と言えるものの中で、実を言うと1年以上勤めた所は未だかつて一つもなかったんです。
やはりこうした事情からも、タイで良い会社に雇われることは難しそうでした。
あと例えば、僕はその頃、バンコクでの生活に一体いくらぐらい必要なのかということに対して皆目見当もついていなかったのですが、少なくともよくあるタイのコールセンターなどの求人情報に載っている1ヵ月3万~4万バーツの給料では、向こうで到底やっていけないということだけはなんとなく理解していたんです。
と言うのも、ゴーゴーバーで満足のいく遊びをしたい場合、最低でも幾らぐらい必要なのかと言う事を当時の自分は重々承知していたつもりだったので、当然このぐらいの収入は無くてはならないという物が既に頭の中で出来上がっていたんです。
具体的に言うと、少なくとも週に1度はゴーゴー通いをするとして、1ヵ月に最低6万バーツ以上の給料は必要であるという自分なりの認識でした。
1ヵ月に6万バーツ以上貰えて、ボーナスも少しあったりなんかして、福利厚生もしっかりしているところ・・・。
とりあえず、この条件で探してはみましたが、僕のような経歴の持ち主が入り込めそうなところは当然のようにありませんでした。
まあ、営業系のところならば、歩合などが乗っかってそのぐらいまで行きそうなところもありましたが、営業の経験なんて全然ありませんでしたから、そうなってくると自分の希望するような条件の会社というのは全く見つからないという状態に陥ったのです。
いやむしろ、当時の僕には、会社で働いて成功してやろうなんていう気概がそもそも無かったのかもしれません。
どうせあんなに暖かくて住み心地の良い場所で生活するのであれば、出来る限り楽にお金を得てゆったり暮らしたい。
もう最初っからこんな気で居たんもんですから、日系の企業に入って英語やタイ語を学びつつ仕事に励むだなんていう心の持ちようでは始めからなかったわけなのです。
「だいたいにして会社で仕事をするだなんて、もうまっぴらゴメンだ!」
当時の僕は、タイで現地採用として仕事をするよりも、何か自分で事業を興すほうがよっぽど自分の性格にも合っているし、そこそこ頑張り次第では上手くお金を稼ぐことも出来るのではないかと本気でそう思っていたのです。
そしてそう考え出した自分の意識は、もう一直線に起業の方向へと舵を切っていくことになるのでありました。