タイ自分史リターンズ

【自分史第27話】ゴーゴー嬢のタイ人彼女に引退を迫る男の決断 

2018年4月9日

以下の記事は、2013年4月頃についての回想録です。

 

ゴーゴー嬢として生きるタイ人女性が如何に厳しい経済的負担を強いられているのかと言う事を知った上で尚且つ、僕は彼女に対して最後の説得を試みます。

「今の話を聞いて、現状メイがいくらぐらい稼いでいるのかはよくわかったよ」

「その上で、メイがもし今の仕事を辞めてくれて、僕と一緒に過ごしてくれるのであれば、今現在メイが家族に対して仕送りしている分の額だけは必ず用意できるようにする!」

「正直言って、それ以外の部分は削らなきゃならない所も沢山出てくるかもしれないけれども、そのことだけは必ず約束するからどうか信じて欲しい!」

この言葉こそ、まさに当時の僕から出せる精一杯の言葉でした。

しかしながら、ここまでの過程においても、未だにタイに行ってから何をするかは決まっていなかったわけであります。

つまり、この発言には何の根拠もなかったということです。

それどころか、よくよく考えてみると、タイに行く目的その物こそが徐々に変わりつつあったことを、この時少しずつではありますが自分自身感じ取っていたんです。

 

それはどういうことか。

一言でいうならば、「何としてでも彼女の仕事を辞めさせたい」と言う、この思いに尽きるのでした。

そのために自分がタイに行って、ずっとそばで見守り続けているぐらいの覚悟でなければならない。

こんな風に、当初事業成功のための手段であったはずの「彼女のゴーゴーバー引退」が、いつの間にやら目的そのものへと完全にすり替わって行ってしまったんです。

 

ただ、覚悟を決めたような僕の言葉に、メイも少しばかり心を開き始めているようにも見えました。

それというのもやはり、家族の仕送りについて言及したことが大きかったのでしょう。

彼女としても、もし今の仕事を辞めたとして、最終的に行きつくところはやはり自分の家族に関する経済的不安が最大のネックであったわけですから。

無論、この不安を払しょくしなければ先には進めないわけであり、その問題を解決できるだけの資金があると言う事をどうにかして信じ込ませることが出来れば、夜の仕事から彼女を遠ざけるチャンスも何とか生まれて来そうに思えたわけです。

まあ、今考えたらこの時点で何の保証もないのに、なんて大変な約束をしてしまっていたのだろうと思えますが・・・。

なんせこの時は、彼女が仕事を辞めて協力をしてくれさえすれば、当然事業は成功すると自分自身信じ切っていましたから。

それに夜の世界から彼女を遠ざけることは、本人のためにもなるのだと純粋に信じてもいましたから、自分の発言に対して何の悪気も持っていなかったわけなんです。

 

そう言う事だったんで、とにかく僕はこの際言ったもん勝ちだと言うノリの押せ押せ状態でもって、メイに対し自分の自信を誇示していったのでした。

しかしながら、ここで彼女が思いもよらないことを言ってきたんです。

「もし本当に私の仕事を辞めさせて養ってくれると言うのだったら、今すぐにタイに来てよ!」

「それが出来ないなら、私はあなたを信じることが出来ない!」

「どうせ、はじめから飛行機に乗るお金だって持っていないんでしょう?!」

 

なぜか、この時初めて養うと言う言葉が出て来たんです。

僕としては、あくまで2人で苦労してお金を稼いでやっていくというニュアンスだったのですが、向こうからしたら、家族の分も含めて面倒を見ると言った僕の発言が、イコール彼女が仕事を辞めた後は全て養うという言葉に変換されてしまったのかもしれませんでした。

 

しかし、そんな事はもはやどうでも良かったんです。

とにかく、早くゴーゴーバーから卒業して貰い、僕だけを見てくれるようになって欲しかった。

そして何より、自分自身の想いを信じて欲しかった・・・。

そのための手段なんて、なんでも良いとさえ思えたのでした。

 

だから、僕は即座にこう答えたのです。

「わかった。じゃあ、今から航空券を買ってみせて、そのチケットの画像を撮って送るから!」

「それで信じてよ」

「その代り、これでタイに行ったら、本当に仕事からは足を洗ってくれるんだよね?!」

そう言って、僕はすぐさまインターネットでおよそ2週間後のタイへの航空券を購入し、彼女にそのフライト内容を送信したのでした。

 

さすがに、メイもこの辺りで少々戸惑いを見せていました。

けれども、僕も完全に頭がおかしくなっていました。

始めは一緒に事業をやってくれないかというお願いのようなスタンスから始まった電話での会話だったはずなのに・・・。

いつの間にやら、それは彼女の仕事を何とか辞めさせるためのものへと変容していましたからね。

まあ結局のところ、僕の深層心理にあった欲求というものは、まさにこういうことだったのでしょう。

タイで就職や起業を考えてみた動機も、もとをただせば全て彼女とのことに行きつくわけです。

加えて、タイで生活したいというのも、まさに同じ理由からでした。

とにかく、メイと離れて暮らすようになって、僕は段々と彼女の仕事を理解することが出来なくなってしまっていたのです。

「なぜ自分という男が居るにもかかわらず、こんな仕事を続けられるんだろう?!」

「いくら家族含め本人が貧しいとは言え、好きな人が出来たのなら、夜の世界からはすぐに足を洗えるはずなのに・・・」

「それに彼女の家族も大事だけど、メイが夜の仕事を続けることよって受ける心の傷だってきっとあるはずだ・・・」

こんなふうに様々な思いを胸の中に抱えたまま、僕は再びタイへと旅立つことにしたのでした。

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survive30's

シパタイ

このサイトは、2014年9月~2016年9月までのおよそ2年間に渡って、わたくし、シパタイが運営しておりました『タイで起業や就職をするも失敗続きな男のブログ』の続編ブログです。ちなみに、過去の自分史については多少加筆修正し、『自分史リターンズ』として再編集の上、当ブログにて掲載中です。それではみなさん、どうぞよろしくお願いいたします。

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