以下の記事は、2013年2月頃の回想録です。
パタヤからバンコクへの帰宅途中の車内でのこと・・・
不意に、ママさんがバンコクでのホテルをどこにするのかと尋ねてきます。
正直言って、これまで泊まっていたスクンビットの「クラウンホテル」は周辺の価格帯に比べると安いとは言え、予算が限られた海外旅行者の僕にとってはその経済的負担が重くのし掛かっていたのも事実だったんです。
そのことをママさんに打ち明けると、ママさん曰く「ホテルは1カ月単位で借りた方が安い!」ってことを教えられ、何ならホテルを急遽紹介してくれるってことになったんです。
そこで、僕は少し考えました。
なぜなら、1カ月単位でバンコクにホテルを借りてしまうということは、他の地域への観光なりなんなりを犠牲にしなければならないってことですからね。
けれども考えた末、もう、メイと一緒じゃないタイ生活なんて考えられないって結論に達し、ママさんに1ヵ月で予算1万バーツぐらいまでのホテルの手配をお願いすることにしたんです。
そうすると、ママさんは何か目ぼしい所があったようで、早速そのホテルへと二人で向かおうということになりました。
暫くしてママさんに連れてこられたのは、ウドムスックという、バンコク郊外の街。
当時まだ、BTS(スカイトレイン)がようやく通ったばかりという、田舎臭ぷんぷんな街でした。
BTSの沿線で言うと、僕もオンヌット辺りまでは土地勘があったのですが、さすがにそれ以降の郊外に関しては全く知りませんでしたからね。
ただ、ウドムスックという場所はバンコク郊外の工業団地などで働くタイ人が多く住む街でもあるため、若者が多く、とても活気に満ちた街ではあったんです。
最近ではコンドミニアムも何棟か建設されており、さらに注目度も増しているようですしね。
ちなみに、工業団地の現地採用として働く日本人なども多く住んでいると聞きます。
で、そんなウドムスックのBTS駅から車で2分ぐらいの場所に、ママさん一押しのホテル「ザ ニラン グランド ホテル 」はあったのです。
しかし・・・
ホテルに到着して早々、僕は焦りました。
ホテルを見た感じ、新しくは無いものの、決して安ホテルといった雰囲気では無かったんです。
早速、ママさんがフロントに部屋の料金を確認すると、案の定、1ヵ月で18,000バーツ程とのこと。
確かに、1日辺り600バーツと考えると、決して高くはありません。
ママさんもそのように言います。
けれども、僕にとってはその額は決して安いとは言えませんし、1ヵ月で借りるメリットを感じません。
何も、ウドムスックまで来て、この値段のホテルに泊まるメリットがありませんでしたから。
僕は借りる気がないことを即座にママさんへ伝えました。
するとママさん、なぜだか分からないけれども、何としてでも僕をこのホテルに泊めさせようと説得してくるんです。
しまいには、ホテルスタッフに値引き交渉までして、2,000バーツのディスカウントを了承させます。
ママさんからも英語でここに泊まるよう、少々高圧的に捲し立てられます。
結果・・・
始めは本当に泊まる気のなかった僕も、流石にこの様子を見せられて、逆らえなくなってしまい、あえなく1ヵ月16,000バーツでママさんが推すこの「ザ ニラン グランド ホテル 」へと宿泊することとなってしまったわけなんです。
宿泊が決まり、ママさんは僕と別れ自宅のコンドミニアムへと帰還。
やっとのことでママさんから解放されたと思い、リラックスしていたのも束の間。
数時間後、ママさんからコールが・・・
ママさん曰く、なんと今日も仕事を休むので、夜は飲みに行こうと言ってくるではありませんか!
僕も、本当は一人でゆっくり過ごしたいという気持ちもあったのですが、何と言ってもメイの上司でもあることだし、その彼女は明日帰省先から帰ることになっていたということもあり、しぶしぶ了承してしまいます。
こうして夜になり、ママさんと共にとある郊外のビア・ガーデンへ
ママさんはこの日も序盤から酔っ払いモード
それでもって酔った勢いなのか、とにかく色々なことを喋ります。
すると話の中で、どうしてウドムスックのホテルにこだわったのかということも明らかになるんですよね。
ママさん曰く、ウドムスックのホテルに居れば、ソイ・カウボーイまで毎晩来ることがお億劫になるだろうと考えたそう。
つまり、僕とメイを遠ざけようって魂胆だったんですよ。
加えて、ママさんのコンドミニアムはウドムスックのホテルから割と近い距離にあるということも判明!
あ~~、完全にママさんにやられたって感じでしたね・・・
その後、またしてもママさんがベロンベロンに酔っぱらってしまい、どうしても僕のホテルで寝て行きたいと言い出したのですが、それをなんとか全力拒否して帰宅させることに成功し、この夜は終わりました。
そして翌日
この日はメイが実家からバンコクへ戻ってくる日。
メイは出勤前に僕と会える時間が無いとのことだったので、新たに決まったホテルの場所がママさんのお達しで急遽ウドムスックに決まったことをLINEで知らせました。
すると、間髪を入れずにメイは激怒!
まあ、当然です。
なぜなら、ソイ・カウボーイのあるアソークからウドムスックは、どちらもBTSの沿線上にある街とは言え、距離的にはかなりあります。
第一、メイが仕事帰りに僕のホテルまで来る場合、当然BTSは終わっているので、タクシーを使わなければなりません。
皆さんご存知の通り、夜中に女性一人でバンコクのタクシーに乗るなんてことは、危険すぎてタイ人ですらあまりしない行為です。
ゴーゴー嬢がどうしても仕事帰りにタクシーを使わなければならない場合でも、友達同伴のことがほとんどですからね。
僕も、遅ればせながらその危険性に気付き、だいぶ後悔しました。
これからは、メイの仕事終わりに毎回迎えに行ってあげなければならない。
1ヵ月でホテルを契約してしまったことが完全に裏目に出ました。
更に当然のことですが、メイは、僕がママさんの言うことを全て鵜呑みにしてパタヤ旅行へ行ったこと、挙句の果てにウドムスックのホテルを借りたことに関しても、とても憤っていたようです。
僕も相当、ウブだったということです。
(メイにはパタヤ行きのことを、この時まで知らせておりませんでした。)
その後、メイに対して、ママさんと二人で会うことは二度としないと進言し、なんとか許してもらうことになるのですが、しかし一方で、僕はママさんのことを完全に見くびっていました。
なぜなら、この日の夜から、ゴーゴーバーにてママさんのメイに対する態度が急激に硬化していきます。
これこそ、まさに二人の凄まじい冷戦状態の幕開けだったのです。